【サイドバック論】伝統型から現代型へ、SBの役割は大きく変化—さて、エスパルスのサイドバックは!?

エスパルス

 

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かつてのサイドバックに求められていたもの

サッカーにおいて、ここ10年で最も役割が変わったポジションはどこか。

そう問われたら、迷わず「サイドバック」と答える人も多いのではないでしょうか?

かつてサイドバック(SB)に求められていたのは、シンプルな仕事でした。

タッチライン沿いに縦へ走り、オーバーラップからクロスを供給する。守備では1対1を確実にこなし、背後のスペースを消す。

必要な能力も明快です。

スピードとスタミナ、対人守備力、そしてクロス精度。判断の軸は「上か下か」

ピッチの縦方向にシンプルに整理されていました。

いわゆる「伝統型サイドバック」の姿です。

現代のサイドバックのタスクとスキルの変化

ところが現代のサッカーでは、その定義が根本から書き換えられています。

現代型のSBは、タッチライン際ではなくハーフスペースや中央に立ち位置を取ります。

攻撃タスクはオーバーラップだけでなく、インナーラップ・アンダーラップ、ビルドアップへの関与、そしてスルーパスまで多岐にわたります。

守備においても、ただ1対1をこなすのではなく、ネガティブトランジション対応や中盤フィルターとしての役割が求められます。

求められる能力もがらりと変わりました。

戦術理解・ポジショニング・パス精度・視野

いわば「フィジカルの職人」から「認知と技術の担い手」へ。

判断の軸もシンプルな上下動から、全方位の状況判断へと複雑化しています。

単線的な役割から多角的なタスクへ、ピッチの幅の支配からハーフスペースの支配へ。

現代SBはもはや「守備のスペシャリスト」ではなく、チームの複数の機能を同時に担う「ゲームメーカー」の役割ではないでしょうか。

ここで思い出すのはゴトビ監督時代に、河井選手や石毛選手がサイドバックのポジションを担っていたのことで、少し早すぎたことのようにも思えます。

エスパルスのサイドバックはどうか

エスパルスのサイドバックは、左に吉田選手、右に日高選手、そして直近ではスンウク選手が務めています。

まず左サイドの吉田選手のプレーで特に目を引くのが、対角のエリア奥を狙ったロングフィードです。

あそこを狙うのはチームとしての明確な意図であることは間違いなく、左サイドから精度の高いボールを供給することで、一発でチャンスにつながる場面も生まれています。

また、セカンドボールの回収でも吉田選手が絡む場面が多い印象です。

データで確認したわけではありませんが、前へ積極的に追い込むのではなく、こぼれたボールを回収できるポジションをあらかじめ取っているように見えます。

その際、サイドに張り付くのではなく、中寄りのポジションを選択していることも多く、現代型SBの立ち位置に近いものを感じます。

右サイドの現在地

右サイドは新加入の選手が担っているという背景もあり、「変化」という軸では評価しにくいのが正直なところです。

日高選手はロングスローと切り返しからの左足クロスで存在感を示しているものの、プレーエリアの広さという点では、まだ印象が薄い段階です。

スンウク選手については、本職がCBということもあり、守備とフィジカルを前面に出した、いわゆる伝統型SBに近いプレーが多い印象です。

不用意な中への横パスを奪われる場面も2度ほど見られており、戦術的な理解という面ではまだ発展途上といえるかもしれません。

吉田監督の戦術とサイドバック

吉田監督の戦術は後方から積極的に押し上げる設計ではないため、現代型SBの進化という観点ではやや嚙み合いにくい部分があるのも事実です。

ただ、吉田選手のプレーには明らかな変化の兆しが見えます。

その進化がチームの戦い方にどう溶け込んでいくのか、引き続き注目していきたいと思います。

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