先制しながら、なぜ勝ち切れないのか。7試合で先制したのは4試合、しかし逃げ切れたのは相手が10人になった1試合だけです。
守備の問題か、それとも攻撃の問題か——今シーズンのエスパルスを読み解くカギは、得点力の数字の中に隠れています。
清水エスパルス:勝点を取り切れない構造的な問題
今シーズン7試合を終えて、エスパルスの成績は1勝5分1敗(勝点10)。
数字だけを見れば悪くない印象もありますが、その中身は物足りないと言わざるを得ません。
先制した4試合では、1勝3分。逃げ切れたのは相手が退場で10人になった試合だけです。
先制された2試合は1分1敗、スコアレスドローが1試合と続きます。
「守り切れなかった」という表現が浮かびやすいですが、裏を返せば「追加点を取り切れなかった」とも言えます。
実際、2026シーズンはPK戦勝利に勝点2が与えられる変則ルールの下で勝点を積み上げており、攻撃の実力以上の勝ち点に見えているとも言えるでしょう。
エスパルスは7試合6得点——数字が示す攻撃の課題
7試合で6得点、1試合平均1得点以下。追加点が取れていれば、今ごろ上位に位置していたことでしょう。では、攻撃と得点の内訳をデータで見てみましょう。
得点を生み出すには「決定率」が重要で、そのベースとなるのが「枠内シュート数」です。
この2つの指標と順位の相関を確認すると、エスパルスが抱える問題の構造が浮かび上がってきます。
リーグ全体に目を向けると、決定率と勝点には強い正の相関があります。
決定率首位の東京ヴェルディ(20.8%)は勝点11でEAST5位、鹿島(17.3%)はEAST首位・勝点19と、高決定率クラブは総じて上位に位置しています。
FC東京が枠内シュート17本でリーグトップ、決定率も高水準を維持してEAST2位に付けており、「量×質」の両立が順位を押し上げています。
エスパルスの問題の核心:「打てているが、決まらない」
エスパルスの3指標を並べると、問題の本質が鮮明になります。
枠内シュート数は10本でFC町田ゼルビアと並びリーグ13位タイと、中位水準は確保できています。しかし決定率は7.7%で16位。得点は6でセレッソ大阪と並んでグループ最下位タイ、グループ順位は7位です。
同じ枠内シュート10本を持つ町田との比較がこの問題を端的に示しています。
枠内に飛ばす能力は同等でも、決定率の差(約2倍)がそのまま得点差となり、順位差を生んでいます。
「決定率が低くても勝点を積む」は今シーズンのみ
チャンスは作れています。問題は「枠内に飛ばした後に決められない」決定力の欠如です。
これはFWを含むシュートシーンの質、精度、ポジション取り、決断力に起因するものであり改善が求められます。
100年構想リーグではPK勝ちで勝ち点を稼げるのでよいのかもしれません。
しかし来季に向けて、この構造的な得点力不足は深刻なリスクになります。
課題は明確です。残り試合でフィニッシュの質をどれだけ高められるか
まずそこがエスパルスの近い未来をを分けると言っていいでしょう。

