エスパルスの深刻な得点力不足という現実
エスパルスは現在1勝0分3敗の16位という成績に沈んでいます。開幕前から「タイトルを狙う」と公言してきたチームの数字としては、あまりにも厳しい現実です。
そして何より深刻なのが、4試合を終えて得点がわずか1という事実です。しかもその1点も、開幕戦で相手GKのパスミスに端を発した得点であり、意図的に崩して奪ったゴールではありません。
これは決して今シーズンだけの問題ではなく、百年構想リーグから続いている課題です。オフシーズンにオ・セフン選手をはじめとする補強を行った今シーズンになっても、得点を奪えない状況は改善されていないのです。
ロングボール攻撃の構造的な欠陥を相手に作らされている
エスパルスはボールを持つと、まずロングボールを蹴り出すことを選択します。

しかし、この時点ですでに問題が生じています。
ターゲットとなるオセフン選手が、百年構想リーグの頃と比べて空中戦で勝てなくなっていることです。1試合平均の空中戦勝利数は、比較して40%ほど減少しています。
さらに深刻なのは、ロングボールを競り合う位置と相手の対応です。ターゲットのオセフン選手に対し、相手チームはボランチの選手をぶつけてきています。相手が本当に警戒しているのは、オセフン選手のフリックから裏を取られることです。だからこそ、そこを狙うインサイドハーフやサイドの選手を自由にさせない対応を徹底してきます。
言ってしまえば、オセフン選手には競り負けても構わないという守備をされているように映ります。ここですでに、エスパルスは一つの手詰まりを迎えています。
セカンドボール回収後に見えない「設計図」
仮に競り勝てたとしても、そのセカンドボールを収める役割は右インサイドハーフの選手が担うことになります。しかし、このポジションは基本的に守備の負担が大きく、そのうえでセカンドボールから攻撃のスイッチを入れる役割も求められます。ここで攻撃のスイッチが入れられていないことも、大きな問題です。
エスパルスの現在の構造は、相手の守備がロングボールに勝ちにいく前提で組まれていると感じています。そのため、相手がある程度の失点リスクを許容し、その後の守備に重きを置いてきた場合、エスパルスには有効な手立てがないように見えます。
仮にセカンドボールを回収できたとしても、そこからゴールへ向かう道筋の構造が見えてこないのは、個々の選手のアイデアに委ねられている状況なのではないでしょうか。
おそらく「エリアに人数をかける」という指示自体は出ているはずです。しかし、どの角度から、どのタイミングで入っていくのかという統一された表現は、まだ見えてきていません。
結果が出ていないことへの焦りからか、性急なパスを出したり、早めのクロスを選択したり、比較的個人が得意としているプレーに頼る場面が目立ち、全体としてかみ合っていない印象を受けます。
停滞を打破するためのエスパルスの選択肢
とはいえ、得点が取れず勝てない状況で、いきなり後ろから丁寧につないでいくスタイルへ舵を切ることは現実的ではないでしょう。
・オセフン選手を競らせる位置を変える
・もう少し後ろでボールを保持して相手を広げてからロングボールを供給する
・アンカーやインサイドハーフへ縦の楔を入れて相手を食いつかせてる
こんな形を狙ってもよいのではないかと考えます。
リスク回避が強すぎる戦術の弊害が、今の攻撃停滞につながっている可能性は否めません。相手の守備が整っていないうちに一気に押し込むという考え方自体は理にかなっていますが、実際に押し込めていないのであれば、やり方を変える決断も必要でしょう。
得点を奪えない要因はもっと他にもあるのですが、今回はエスパルスの攻撃におけるファーストチョイスにフォーカスして考えてみました。
連戦が続くうえ、けが人も続出している状況で、これまで準備してきたやり方を大きく変えることは簡単ではないかもしれません。この停滞を打破することができるのか——エスパルスはどうなるでしょうか。