エスパルスが直面する厳しい現実
清水エスパルスは開幕戦こそ勝利を収めたものの、そこから無得点で3連敗という厳しい結果が続いています。スタジアムの動員数を見ても、この状況の深刻さは明らかでしょう。
まだ4試合を終えた段階ですが、様々な数値順位を確認することで、エスパルスが今どのような位置にいるのかを浮き彫りにしていきたいと思います。
| 項目 | 数値 | 順位 |
|---|---|---|
| 勝ち点 | 3 | 16位 |
| 得点 | 1 | 20位 |
| シュート数 | 40 | 15位 |
| チャンス構築率 | 9.0% | 15位 |
| シュート成功率 | 2.5% | 20位 |
| クロス総数 | 63 | 6位 |
| ドリブル総数 | 50 | 4位 |
| ドリブル成功率 | 56% | 8位 |
| ゴール期待値(xG) | 1.391 | 12位 |
| ゴール差分(xG−得点) | 1.141 | 20位 |
| 1対1勝利数 | 65 | 6位 |
| 1試合平均走行距離 | 108km | 19位 |
| 1試合平均スプリント回数 | 117 | 10位 |
| 1試合平均パス数 | 310.3 | 20位 |
| パス成功率 | 60.3% | 20位 |
攻撃とインテンシティに関わる数値をピックアップしましたが、下位に沈むものもあれば、上位に位置するものもあります。このコントラストにこそ、エスパルスの結果の特徴がはっきりと表れています。
攻撃サイドの数値に見る強み
まず注目したいのはこの数値です。
・クロス総数63で6位
・ドリブル総数50で4位
・ドリブル成功率56%で8位
この数値が示しているのは、サイドからの攻撃やインサイドハーフがボールを運ぶプレー自体は機能しているということです。長いボールを入れる、落とす、拾えたら運ぶ、クロスを上げるという一連の約束事は、チームとしてある程度構築できていると言えるのでしょう。
フィニッシュに至らない現実
しかし問題は、その先にあります。シュート数40で15位という数字が示す通り、サイドでの前進やドリブル突破がフィニッシュまで結びついていません。
そして得点1、シュート成功率2.5%で20位という結果が、そのシュートすらも決め切れていない現実を突きつけています。
「ゴール期待値(xG)が高い」という点を取り上げる声もありますが、xG1.391で12位でありながら、ゴール差分は1.141で20位という数値を見ると、話は単純ではありません。シュート数が少ない中でxGが相応に高く出ているのは、決定機の質自体は偶発的に生まれているだけで、フィニッシュの準備が整っていない証拠とも言えるかもしれません。
エリアに入っていくカタチ、つまりゴールに至る最後の一手前の部分が、まだ整備されていないのではないでしょうか。吉田監督が結果を残した神戸時代は、この部分を選手個々のスキルで埋めることができていました。しかし百年構想リーグから大きく変化していない現在のエスパルスに対しては、各チームがすでに対策を講じ始めていると考えるべきでしょう。単純な戦術であるほど、対策も練りやすいものです。
これからエスパルスが勝ち点をあげていくための課題
開幕戦のゴールは相手のミスが起点でした。しかし、ネットを揺らすまでの過程は素晴らしく、決めごとの中で生まれたゴールに感じられたからこそ、そこには期待もありました。そのミスを誘発したのが守備の約束事だったとすれば、あのシーンでは戦術がしっかりと機能していたということになります。
この状況から浮上するためには、フィニッシュへの道筋をもう少し丁寧に組み上げていく必要があります。クロスを出す位置、タイミング、ボールを入れる位置、エリアへの進入角度など、ゴールに至る一つ手前の精度を高めることが求められます。ここを戦術として、約束ごとととして明確に整備していく必要があると感じています。
8節までは連戦が続き、けが人も出ている中で新たな型を構築するのは簡単ではないかもしれません。ただし、下位チームとの対戦も含まれているため、そこは個の力で勝ち切りながら、中断期までなんとかつなげていくしかないでしょう。

