ルヴァンカップ2回戦、アウェーでのツエーゲン金沢戦は2対0で勝利しました。
複数得点にクリーンシートと、スコアだけを見れば申し分のない結果です。
しかし、相手はJ3、しかもターンオーバーをしてきたチームです。その相手に対する試合内容としては、非常に物足りない一戦だったと言わざるを得ません。
吉田監督も試合後、前半は競り合いで負け、出足も相手のほうが早かったと振り返り、3、4点取られてもおかしくなかったという趣旨のコメントを残しています。指揮官自身が内容に満足していないことは明らかです。
エスパルスの立ち上がりの守備は甘すぎ
特にひどかったのが、試合の入り方です。
前半、金沢のシュートは10本。対するエスパルスはわずか2本でした。この数字がそのまま前半の構図を表しています。
失点していてもおかしくない場面は何度もありました。実際に一度はゴールネットを揺らされており、ファウルの判定に救われています。相手の攻撃になす術なくペナルティエリア内まで迫られた守備で、相手の決定力に助けられただけと言っていいでしょう。
プレー中に足を滑らせる選手も多く、初めてのピッチに適応できていなかったことも一因かもしれません。それでも、あの守備は甘すぎです。
特に住吉選手がゴールキーパーへ出したバックパスの場面は、プロとしてありえないレベルでした。
1対1で簡単に入れ替わられる。相手のプレッシャーがまったくかかっていない場面でも、誰もいないところへボールを蹴ってしまう。そうした状態のまま試合が進んでいたことに、正直驚きを覚えます。
前線からのプレスもかからず、こぼれ球も回収できず
ワントップが変わった影響かは分かりませんが、前線からのプレスがかからず、金沢は自由にボールを前へ運べていました。
こぼれ球の回収や競り合いでも相手に上回られ、主導権はずっと金沢の側にありました。
選手一人ひとりのプレーエリアも非常に狭く、ボールを持っても結局は後ろへ戻すだけ。前へ進む形をほとんど作れませんでした。
何もない前半だったと言えるでしょう。
後半の変化と、それでも続いた1対1の劣勢
後半に入ると、指揮官から檄が飛んだのか、相手陣内でプレーできる時間が増えました。
ただし、1対1ではJ3の相手にかなりの確率で負けていました。そこから押し込まれる形は、後半になっても作られていました。
流れが変わり始めたのは、金沢の足が止まり始めてからです。金沢は26日にリーグ戦を戦っており、この試合は中二日。時間が進むにつれて、フィジカルコンディションの差が少しずつ表れてきた印象です。
そのタイミングで、エスパルスに先制点が生まれました。
平戸選手のアイデアが生んだエスパルスの先制点
60分の先制点は、連動した良い形でした。
起点となったのは、先日加入した平戸選手です。井上選手とパス交換をした後、バイタルエリアへもう一度入り直し、シュートモーションからエリア内へパスを送りました。これは平戸選手個人のアイデアでありスキルです。
立ち上がりから少しプレーエリアが狭い印象を受けましたが、バイタルでボールを持った時の質の違いは見せてくれたと思います。結果を残したことでもっと主張したプレーができるようになるかもしれません。
最後はこぼれ球を松崎選手が押し込み、均衡を破りました。
先制後は中盤が空き、交代選手が躍動
先制されたことで、金沢は前に出ざるを得なくなり、縦の距離感が空くようになりました。エスパルスは中盤を自由に使えるようになります。
この状態になれば、途中から入った選手たちが力を発揮するのも納得です。
藤井選手は左サイドから仕掛け、クロスやドリブルで北川選手の決定機を演出しました。そして88分、今度は松崎選手の左からのクロスに北川選手が頭で合わせ、追加点を奪いました。
得点シーンだけを切り取れば、チームとしての地力の差は見せることができたのではないでしょうか。
この危機感を中断期につなげられるか
ただ、強度がまったく感じられなかった前半は、気の緩みと言われても否定できません。
勝っただけで内容の薄い試合をしてしまった。この危機感を持って中断期のトレーニングにつなげられるのであれば、最終的にはプラスの試合になるはずです。選手たちにはしっかりと受け止めてほしいですね。
ルヴァンカップ3回戦は、横浜F・マリノスとアウェーで対戦します。天皇杯もあり中断後はまた過密日程となるので、チーム総力戦で勝ち続けてほしいですね。

