先制しても勝てない——エスパルスに見える試合マネジメントの課題
プレーオフ第1戦では先制するも約10分後に追いつかれドロー、百年構想リーグ最終節でも先制直後に2失点を喫し逆転負けと、エスパルスは2試合連続で先制しながら勝利を手にすることができませんでした。
この「先制しても勝てない」という問題は、今シーズンを通じて繰り返されてきた構造的な課題です。
エスパルスの先制試合の戦績
今シーズンのエスパルスは、リーグ戦19試合中10試合で先制ゴールを記録しています。
実に半数以上の試合でスコアを動かしていることになり、得点力という点では一定の成果を示しています。シーズン当初は前半に得点が生まれにくい課題がありましたが、中盤以降は前半のうちにゴールを奪えるようになりました。
しかし、その10試合の戦績を見ると、3勝5分2敗という結果となっています。先制試合における勝率はわずか30%です。
一般的にサッカーは先制したチームが65〜75%の確率で勝利すると言われています。リーグや状況によって差はあるものの、エスパルスの30%という数字はその水準を大きく下回るものです。
試合マネジメントの欠落
この数字の背景には、選手層の薄さという現実的な要因もあるでしょう。ただ、それ以上に試合全体のマネジメントの欠落として捉えることもできます。
先制後にどう試合を進めるか、どうリードを守りきるかというプランが確立されていないことは、選手個々の問題だけでなく、監督・コーチ・スタッフ陣も含めたチーム全体の課題と指摘せざるを得ません。
天皇杯などカテゴリーの異なるチームが対戦する場合、格下のチームが先制することは珍しくありません。それでもカテゴリー上位のチームが逆転勝ちするケースが多いのは、90分を通した試合のマネジメントが確立されているからです。
先制しても勝てない状況が続くというのは、こうしたチームとの「力の差」として受け止める必要があるのかもしれません。
守備構築への投資が活きなかった現実
エスパルスはシーズン前から守備の構築に力を注いできたチームでもあります。
センターバックを務められる選手の数も揃っており、リードを守るための選択肢は複数あったはずです。それでも、先制してから逃げ切るプランをシーズン中に確立できなかったことは、今後に向けた大きな反省点となるでしょう。
吉田監督は「今のチームの課題は明確だ」と明言しています。この先制点からの勝率というのが課題ととわれているかどうかわかりませんが。チームとして投資をおこなうという言葉も出ています。
このハーフシーズンから次のシーズンの間に、どれだけの変化を生み出せるか。
そこに注目したいところです。


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