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【まあJデータ分析】横浜FM戦トラッキングデータで読む、須貝選手はなぜスプリントするのか「エスパルスのプレス設計」

 

横浜FMとの一戦で、今季初のトラッキングデータが公開されました。開幕・名古屋戦は61分にオ・セフン選手が退場となり10人での戦いを強いられたため、データとしてはやや参考にしづらいものでした。そのため、今回が今シーズン初めてじっくり読み解けるトラッキングデータ分析になります。

須貝選手のスプリント25回――プレスの出口を締める役割

まず着目したいのがスプリント回数です。試合の印象通り、須貝選手が両チーム通じて圧倒的な1位となる25回のスプリントを記録しました

自陣のスペースに出されたボールに対して反応するスプリントはイメージしやすいと思いますが、須貝選手のスプリントが最も活きるのは、相手のウイングにボールが渡るタイミングです。

GKを使ってビルドアップしてくるチームに対して、エスパルスは前からしっかりとプレスをかけていきます。まず木下選手が片方のサイドを切ってプレスをかけ、そこからジャーメイン選手がさらにコースを限定してサイドバックへボールを誘導します。ここで北川選手が相手ボランチへのパスコースを消すと、相手は浮いているサイドハーフへパスを出さざるを得なくなります。

このパスコースを狙って須貝選手が一気にスプリントを仕掛け、ボールを刈り取る場面が何度か見られました。相手がこの展開を嫌がり、単純に蹴ってくる回数が増えれば、エスパルスの術中に完全にはめられていると言えるでしょう。横浜FM戦でも相手GKのミスキックが目立ちましたが、これは前線からの連動したプレッシャーが影響していた可能性があります。

両センターバックのスプリント――ラインコントロールという生命線

もう一つ着目したいのが、両センターバックのスプリント数です。スンウク選手が14回で全体3位、本多選手が12回で5位という結果でした。

CBのスプリント回数の多さは、ラインコントロールによるものと考えられます。相手陣地へプレスをかけた際、最終ラインはハーフウェーライン付近まで一気に押し上げられます。この上下動を素早く行うためにスプリントが記録されているのではないでしょうか。

横浜FM戦でも、吉田監督がベンチから「ライン、ライン」と繰り返し声を掛け、ラインを上げるジェスチャーを続けていました。相手陣地でのプレスの生命線はライン設定の高さにあり、そこを徹底して意識づけていることがうかがえます。

GKのビルドアップと最終ラインの上下動

もう一つの要因として考えられるのが、今季から導入されたゴールキックの5秒ルールの影響です。エスパルスのGKは基本的にロングボール主体のプレースタイルですが、そのまま蹴ると相手にも準備の時間を与えてしまうため、一旦下からつなぐそぶりを見せます。

そこからロングボールを蹴るとなると、先述の通り最終ラインも一気に押し上げなければなりません。このタイミングでCBにスプリントが記録されている可能性がありそうです。

トラッキングデータには、エスパルスの戦術的な特徴が如実に表れています。この傾向を頭に入れながら現地観戦をすると、今シーズンのエスパルスが狙っているものがより見えやすくなるかもしれません。今後も狙いと変化、そして進化が感じられるタイミングで、引き続きこのテーマに触れていきたいと思います。

P.S.

須貝選手のスプリントで思い出したことが一つあります。

スローインの際、自分が投げるボールを拾いに行く場面でも全力でダッシュしていることです。少しでも相手の準備が整わないうちにスローインを狙う姿勢は素晴らしいですね。このプレーもスプリント数に加算されているのか、気になるところです。


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