【シリーズ③】データで読み解くエスパルスの攻撃構築の現在地「攻撃回数」130回の攻撃は何を意味するか

分析
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攻撃回数130回、リーグ1位の意味を問う――エスパルスの攻撃データを読む(第3回)

本シリーズでは、データを通じてエスパルスの攻撃の現在地を確認しています。

第1回はゴール期待値、第2回はパス交換を取り上げました。

今回は「攻撃回数」に着目します。


攻撃回数とは何か

Football Labのチーム別攻撃データでは、「攻撃回数」をおおよそ次のように定義しています。

ボールを保持してから、相手チームにボールが渡る、あるいはファウルやボールアウトで試合が止まるまでの一連のプレーを「1回の攻撃」としてカウントします(特定の状況では例外あり)。

単純なシュート数やポゼッションとは異なり、攻撃の「試み」の総数を表す指標です。この数値が多ければ多いほど、相手陣地でのプレー機会が豊富であることを示します。


エスパルスは攻撃回数はリーグ1位の130回

今シーズン(5試合終了時点)のエスパルスの攻撃回数は130回。リーグ全体でトップの数値です。

これは一見、非常にポジティブな数字に見えます。しかし、同じ指標で他チームと比較すると、興味深い事実が浮かび上がります。

WEST首位のガンバ大阪は126回でリーグ2位。対してEAST首位の鹿島アントラーズは114回でリーグ14位です。

攻撃回数の上位と順位上位は必ずしも一致しない。

この時点で、この数値が単独では「攻撃の質」を語れないことが見えてきます。


エスパルスのチャンス構築率8.3%が示すもの

攻撃回数は、「チャンス構築率」を算出するための基礎データでもあります。

チャンス構築率とは、攻撃回数のうち何割をシュートに結びつけられたかを示す割合です。攻撃の「意図」がゴールへの具体的な行動につながっているかを測る数値と言えます。

エスパルスのチャンス構築率は8.3%で19位。

攻撃回数がリーグ1位でありながら、チャンス構築率はリーグ最低水準に近い位置にいます。130回攻撃を試みても、そのうちシュートまで至るのは10本程度という計算です。


ボールを持っても、前に進めていない

この構図をさらに裏付けるのが、アタッキングサードおよびペナルティエリアへの侵入に関するデータです。

アタッキングサード侵入回数はリーグ14位、ペナルティエリア侵入回数はリーグ17位。攻撃の回数は多くとも、ボールを前線まで運べていないことが数字に表れています。

整理すると、現状は以下のような状態と言えます。

  • 守備から相手のクリアを回収したり、パスカットやプレスでボールを奪うことはできている
  • しかし奪った後、すぐにボールを失ってしまっている
  • その結果、攻撃の起点は多くても、前進・侵入・シュートに至らない

ボール支配率が低い原因も、ロングボールの多用というよりは、一つひとつの攻撃が短かく終わっていることにあると考えるのが自然です。


攻撃を構築できていない、というシンプルな事実

5試合を通じてデータが示す結論はシンプルです。現時点では、攻撃の構築が全くできていない

得点が少ない理由は、相手DFの守備力というよりも、エスパルス自身が攻撃を形にできていないことにあります。

プレッシングや守備の意図は機能している一方で、その後のボール保持から前進への設計がまだ整っていない状態です。

吉田監督の志向するサッカーの方向性自体は見えてきているだけに、攻撃面の構築がチームの次なる課題であることは明白です。


折り返し地点での再確認を

「100年構想クラブリーグ」が折り返しを迎えた時点で、同じ指標がどう変化しているか。

攻撃回数が維持されながらチャンス構築率が上向いているか、あるいは攻撃の形自体が変わっているか。同じ視点での再分析を通じて、チームの成長を確認したいと思います。

まずは5試合時点での現在地として、エスパルスの攻撃データを読み解きました。

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