【まあJレビュー天皇杯2回戦】J3相手に露呈した個人頼みの攻撃と守備の設計不足、次節リーグ戦にも大きな負担

レビュー

 

天皇杯JFA第106回全日本サッカー選手権大会2回戦、清水エスパルスはFC大阪と対戦し、延長の末に2-1で勝利しました。3回戦へコマを進めたとはいえ、内容を振り返るとリーグ戦を考えればマイナスの結果と言ってもよい一戦だったと思います。

試合は前半19分にFC大阪の菅原龍之助選手に先制点を許す苦しい立ち上がりとなりました。ビハインドを受けて、清水は後半頭からオセフン選手、ジャーメイン選手を投入。後半17分にオセフン選手が同点弾を決め、試合は延長戦にもつれ込みます。そして延長前半3分、松崎選手のゴールで勝ち越しに成功しました。

気がかりなのは、この采配がもたらした負荷です。ビハインドで動かさざるを得なかったとはいえ、オセフン選手とジャーメイン選手は結果として75分間もプレーすることとなりました。中2日で行われる柏戦への影響が心配されます。

また、前半でディエギーニョ選手が負傷交代となった点も見逃せません。この影響で弓場選手がほぼ1試合を通してプレーすることとなり、こちらも柏戦へのコンディション面での懸念材料と言えるでしょう。週末の柏戦は、J3相手にバックパスしかできなかった小塚選手がアンカーを務めることになるのかもしれません。

エスパルスの攻撃戦術は皆無、個人スキル頼みで狙いの見えない攻撃

J3チーム相手にこの内容と結果というのは、かなり厳しいと言い切ってよいと思います。正直に言えば、控えメンバーとはいえかなりの戦力差を持った一戦でした。

吉田監督の評価の1つに「明らかな戦力があれば勝てる」というものがありますが、天皇杯2回戦は十分な戦力差がありながら、狙いは何一つ見えてきませんでした。トップ、サイド、インサイドハーフのプレーはいずれも単発で終わり、連動は存在せず、結局は個人スキルの差で打開を図ろうとしているだけだったように映ります。

逆転ゴールとなった松崎選手のゴールも、J2時代に何度か見られたタイプのゴールであり、連動や崩しで奪ったものではありません。J1強度の相手であれば、あのようなゴールは生まれないでしょう。

守備にも設計の欠如が見える

それでは守備が整備されていたかと言えば、そうでもありません。セカンドボールを回収する設計は皆無でした。リーグ開幕戦の前半はかなりセカンドボールを回収できていたと感じましたが、それもディエギーニョ選手個人のスキルによるものだったのかもしれません。

最終ラインもフリック1発で相手に決定機を与えてしまうほど、かなりリスクを抱えた守備となっていました。相手のシュートミスに助けられた場面もありましたし、ゴールポストやクロスバーにも何度も救われました。もう少し相手にシュート精度があれば、大敗を喫していてもおかしくない内容だったと思います。

シーズンを戦い抜けるかを考えさせられる一戦

今のエスパルスがやりたいこと、そしてやれることが限られていることを露呈した試合と言ってもよいかもしれません。圧倒的な戦力差を保有しながら、攻撃は個人頼み、守備は一発で決定機を作られてしまう。厳しい言い方になりますが何かを構築できていたかと言えば、正直見当たりませんでした。

次節への直接的な影響だけでなく、このままシーズンを戦い抜いていけるのかまでを考えさせられる試合でした。公式戦で勝利したという結果自体はポジティブなので、ここからチームに変化が生まれることを期待したいと思います。

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