試合のない週に順位が上がる。
第11節、エスパルスは神戸との対戦をACLの日程消化の関係ですでに終えており、今節は試合がありませんでした。しかしこの週、エスパルスは暫定でWest2位に浮上しています。
何が起きたのか。答えは得失点差です。
エスパルスが試合なしで順位が上がるという現象
上位にいた京都が今節で大敗を喫しました。勝ち点はエスパルスと変わらないまま、得失点差が大きく落ち込んだことで、順位が入れ替わるという珍しい現象が起きました。
得失点差はリーグの順位決定において、勝ち点の次に参照される数値です。
プラス3点以上の差があれば、実質的に勝ち点1分の差があるのと同じような意味を持ちます。
得点を多く積み上げ、失点を1つでも減らすことで作られるこの数値は、シーズンを通じて静かに順位に影響を与え続けます。
エスパルスのゴールを守る梅田選手
失点を抑えるという観点で、エスパルスには顕著なデータがあります。3月の最優秀セーブを受賞した梅田選手の数値です。
梅田選手のセーブ率はリーグ2位の80%。 1位は日本代表でもある鹿島の早川選手の82%で、この2選手がリーグの「2強」を形成しています。リーグ屈指のGKと言っても過言ではないでしょう。
数字の背景にある「環境の違い」
ただし、梅田選手と早川選手を単純にセーブ率だけで比較するのは不十分です。両者の置かれている状況が大きく異なるからです。
被枠内シュート数を見ると、エスパルスは42でリーグ14位、鹿島は28でリーグ1位です。 エスパルスのゴールには、鹿島と比べてはるかに多くのシュートが飛んできている。クリーンシート数の差——梅田選手が2試合、早川選手が6試合——はそのまま、チームとして枠内シュートをどれだけ許しているかの差でもあります。
梅田選手でなければ、という数字
さらに踏み込んだデータがあります。ペナルティエリア外からのセーブ率で、梅田選手は100%を記録しています。 早川選手でさえ91%であることを踏まえると、この数値がいかに驚異的かがわかります。
梅田選手でなければもっと失点をしていた——そう断言できるデータです。
現在の得失点差が今より低くなっていたことはもとより、勝ち点17の積み上げも難しかったであろうということが、改めて数字から浮かび上がってきます。
エスパルスのチームとしての守備の次のステップ
梅田選手の個人の数値は非常に高い水準にあります。一方で、チームとしての課題はより前段にあります。被枠内シュート数をいかに減らすか。
これが守備の核心となるテーマです。
鹿島の11試合で失点5という数字にすぐ近づけるとは言えません。それでも、被枠内シュートを少しずつ減らしていけるようになれば、梅田選手の高いセーブ率がより活きてくる。
得失点差はさらに伸び、チームはもう一段上を目指せるようになるでしょう。


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