【まあJレビュー水戸戦】両サイドバックの絞りが生んだ劇的ゴール、エスパルスから感じる進化

 

リーグ中断明け、水戸でのアウェーゲームは、2-1の見事な逆転勝利でした。

中断期間もうまく活用でき、今のエスパルスが持つ十分な選択肢の中から選ばれたスタメンだったと思います。

しかし、試合が始まってみると、非常に悪い内容のスタートでした。

強い風の影響と言ってしまえばそれまでですが、必要以上に選手たちがナーバスになっていたのかもしれません。

起点を作れなかったエスパルスの前半

トップに入ったオセフン選手はほとんど競ることができず、自身でフラストレーションをためたのか、雑なプレーが目立ちました。

関与したプレーの多くでファウルを取られ、起点になることがまったくできませんでした。あのままプレーを続けていたら、2枚目のイエローカードを提示され、退場していたかもしれません。

そんな展開が続くと、無意識のうちに他責気味になるのか、16分のシーンでは、前線でオセフン選手が倒れていることに対するアピールが多く、完全に守備が緩い状態になっていました。

相手がシュートを外してくれたため事なきを得ましたが、あの時間のあのプレーは看過できないものでした。

水曜日に120分を戦った影響もあるのでしょう。粘り強い守備をする選手があっさりかわされるシーンもあり、120分出場した選手の疲れは見て取れました。

ピンチは立て続けに作られましたが、梅田選手のビッグセーブもあり、失点は抑えることができました。

一方で、エスパルスはまったくパスがつながりません。ようやく1本つながっても、2本目で相手ボールになるという時間が続きました。

プレーがうまくいかないため、ファウルをもらいに行こうとするような姿勢も少し見え始めました。

このようなプレーが続いていたので、前半シュートゼロというのも致し方ない結果だと思います。

吉田監督が動いた前線3枚替え

その状況を見て、吉田監督が一気に動きました。

後半スタートから前線3枚を総入れ替えするという手を打ちました。

吉田監督はじっくり構えるタイプと認識していたので、このタイミングでの3枚替えには少し驚きました。

試合後のコメントを見ると、やはりパフォーマンスには相当不満があったようで、前半はもう我慢の時間と受け入れていたようです。

そして、その交代策がいきなり機能しました。

後半早々に藤井選手が裏に抜け、ドリブルでエリアに侵入するシーンを作りました。このシーンは藤井選手自身の守備から生まれたものでしたし、前半のパフォーマンスとは大きな違いをいきなり見せてくれました。

この「自分で守備をして自分で攻撃する」というのは、この試合の最後に訪れたあのシーンの伏線のようにも思えますね。

失点、そしてセットプレーからの同点弾

ただ、その直後に、ゴールキーパーから2本のパスで裏を抜けられて失点しました。

ハイラインの守備である以上、このリスクを抱えていることはチーム全体も理解しているはずです。このパターンの失点が続いているので、対策をしてほしいところです。

失点後は、前半シュートゼロということもあり、少し焦りがあったのか、中距離のパスの選択が多く、それがことごとく相手にカットされていました。

またこの時間帯は、ジャーメイン選手のプレーのほとんどがミスとなり、相手のカウンターの起点になっていました。なかなかエスパルスのターンに変わることはなかったですね。

しかし、勝ち癖のついているチームになってきたのでしょうか。セットプレーから得点が生まれました。

今シーズン、クリーンシートが一度もない水戸の守備の象徴だと思いますが、エリア内でボールウォッチャーとなったところを見逃さず、エスパルスがエリア内で2本のパスをつなぎ、藤井選手の非常に丁寧なシュートで同点に追いつきました。

両サイドバックの絞りが生んだ決勝点

試合は終盤に移ります。

前半から飛ばしていた水戸もそうですし、中3日で120分の試合明けのエスパルスも足が止まりかけていました。

そのような状況で、守備陣がボールホルダーにアタックに行けずに裏を取られ、ゴールネットを揺らされました。

VARでオフサイドの判定となり失点にはなりませんでしたが、動けなかったからこそ取れたオフサイドなのではないか、という感じでしたね。

そして、この時間帯でもエスパルスの両サイドバックの絞りが効いていました。

ブルネッティ選手は、天皇杯にフル出場したあとの試合の終盤にもかかわらず、エリアの右まで絞ってボールをカットしました。あのシーンは本当に素晴らしかったと思います。

右サイドの須貝選手も、同じように自分のポジションを捨てて中に絞り、ボールを奪い、そこから一気に持ち上がります。

そして逆転ゴールが生まれます。

一度、左サイドの藤井選手に預け、そのまま前線まで走り続け、リターンで戻ってきたパスをスライディングしながらゴールに決めました。

本当に気迫のこもった、魂が乗った、素晴らしいゴールだったと思います。

あのプレーでしびれなかったエスパルスのファン・サポーターはいないのではないでしょうか。

トップハーフを目指す戦いへ

前半はシュートゼロで折り返し、後半早々に失点した中、そこからよく逆転まで持っていったと思います。

これでリーグ戦3連勝、公式戦5連勝を達成しました。しかも、リーグ3連勝のうち直近2試合は逆転勝利です。

先制されたらほぼ試合が終わる、というような雰囲気が漂うのがエスパルスでしたが、今は完全に別のチームになったと言ってもいいのでしょうか。

劣勢ながらも下位チームにはしっかりと勝ち切る。その実力があるということを示してくれた試合だったのではないでしょうか。

これで順位も10位まで押し上げることができました。次の試合からは、トップハーフを目指す戦いとなります。

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