清水エスパルスが福岡を1-0で下し、開幕戦以来6試合ぶりとなる勝利を挙げ、5試合連続の未勝利状態を止めました。
「危機感」という言葉でチームを表現していたように、立ち上がりからしっかりと強度の高いプレーができていました。ただ、90分を振り返ると、相手が前半のアクシデントで2回の交代機会を使わざるを得なくなった状況は、間違いなくエスパルスにとってプラスに働いたと言っていいでしょう。
そんな中でエスパルスの攻撃で効果的だったのは、大きなサイドチェンジです。この試合も前節同様、下からボールをつないでいく姿勢を見せていました。なかでも左サイドバックのブルネッティ選手を相手がつかみきれず、左を起点にエスパルスがゲームを組み立てていました。
そこから井上選手のサイドチェンジの起点として、チャンスを演出したのは意図したプレーでした。井上選手は出場している時間帯、プレーが途切れればすぐにベンチにプレーの確認をしていました。こういった選択は、今後エスパルスにとって貴重な存在になると思います。
勝ち点3の裏にあったエスパルス中盤の課題
ただ、エスパルスの中盤の強度はかなり低かったと言わざるを得ません。勝ち点3という結果を手にしたから良かったものの、攻守にわたり厳しいプレーが続きました。
守備ではドリブルのフィルターに全くなっておらず、簡単に相手に運ばれるシーンを作りました。攻撃でもセカンドボールの回収はできず、繋ごうとする中でも受けるポジションにいなかったですし、1つ前にボールが出たときも動き直しをしておらず、ベンチから再三指示が飛んでいました。
後半もプレーの判断が遅く、相手のプレスを受けてロストしたり、相手の準備が整っている真ん中に縦パスを通そうとしたり、プレーの選択・スピード・精度・ポジショニングにおいて厳しい状況でした。
DFラインも修正が甘く感じました。一発のロングボールで決定機を作られてしまうのは準備不足としか言いようがありません。相手が狙ったボールならまだしも、クリアボールをチャンスにされてしまうのは今すぐにでも修正が必要です。この試合だけでなく、しばらく続いている傾向です。
厳しいことを書き綴りましたが、勝ち点3を取れたからこそ受け止められる内容です。ここで勝ち点を落としていたら、細かい部分に触れることはなかったでしょう。
決勝点の振り返りと5バック移行に見えた意図
得点シーンは素晴らしかったと思います。右サイドの高い位置で相手を囲みボールを奪ってから、エリア内に侵入し、最終的にはディフレクションでゴールマウスにボールが吸い込まれました。
キレイなゴールではなかったですが、シュートに至るまでの流れは完璧だったのではないでしょうか。このようなプレーを意図して、再現性のあるプレーとして繰り返していくことが浮上の条件と言っていいでしょう。
リードしてから逃げ切るために5バックに変えたのですが、この移行でベンチは非常に苦労をしていました。なかなか選手たちに意図が伝わらず、状況を察した本多選手がベンチまで戻り確認をして、システム変更ができました。神戸から連れてきた意図の1つを、改めて見た気がします。
エスパルスはまだ最終局面で油断をしてしまう
後半アディショナルタイムに完全に気の抜けたプレーをしていましたが、失点をしませんでした。スローインからの逃れで完全にボールウォッチャーになり、エリア内に3人のフリーの選手を作っていました。幸いにもシュートが外れ失点をしなかったのですが、ありえないレベルのプレーでした。下位チームの対戦相手であったために救われたと言っていいでしょう。
勝ち点3という結果を得たことは本当に良かったと思いますが、内容は全くついてきていません。それでも勝てたというのが、下位チーム同士の対戦ということなのでしょう。次節も下位チーム同士の対戦なので、同じように我慢をして勝ち点3を取らなければなりません。


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