「エスパルスの近年の課題は?」と聞かれたとき、走力や決定力、90分を通じたゲームデザインを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
反町GMが繰り返し口にする「1対1の強さ(デュエル)」も、長らく課題の一つとして挙げられてきました。
吉田監督はプレー強度を重視する指揮官です。今シーズンの選手の変化やプレー内容を見ていると、デュエル面でも何かが変わりつつある気がしています。
そこで今回は、2025シーズンと2026シーズンのデュエルデータを比較してみます。取り上げるのは「1試合あたりのデュエル勝利数」です。
2025シーズンのデュエルデータ
2025シーズンの1試合平均デュエル勝利数は15.6回で、リーグ16位でした。下位に位置していたことは、多くのファン・サポーターも肌感覚として持っていたのではないでしょうか。
選手個人のデュエル勝利数ランキングは以下の通りです。
| 順位 | 選手 | 勝利数 |
|---|---|---|
| 1位 | 住吉選手 | 71回 |
| 2位 | ブエノ選手 | 66回 |
| 3位 | カピシャーバ選手 | 63回 |
| 4位 | 宇野選手 | 56回 |
| 5位 | 高木選手 | 43回 |
上位5選手の総数は299回、1試合平均7.8回となっています。
2026シーズン:数字の裏にある変化
2026シーズンの1試合平均デュエル勝利数は14.8回。リーグ順位は18位と、数字の上では昨シーズンからさらに後退しています。
選手個人のデュエル勝利数ランキングです(11試合時点)。
| 順位 | 選手 | 勝利数 |
|---|---|---|
| 1位 | 宇野選手 | 24回 |
| 2位 | 吉田選手 | 18回 |
| 3位 | 小塚選手 | 17回 |
| 4位 | 住吉選手 | 16回 |
| 5位 | ブエノ選手 | 16回 |
上位5選手の総数は同じく299回ながら、1試合平均は8.3回に上昇しています。
チーム全体の総数が減っているにもかかわらず、上位選手の局面での勝利数が増えているという構図。これは、特定の局面で再現性のある勝ち方が生まれつつあることを示唆しているかもしれません。
まだ11試合というサンプル数では断言はできませんが、傾向としては少しずつ見えてきています。
首位チームとの比較が示すもの
参考として、東西首位チームのデュエル勝利数を見てみます。
- 鹿島アントラーズ:14.5回(17位)
- ヴィッセル神戸:13.5回(20位)
これは意外な数値ではないでしょうか。両チームとも、エスパルスより低い数値でリーグ上位に立っています。
この数字が示唆するのは、デュエルの勝利数が多ければ勝てるわけではないということ。むしろ、1対1の局面そのものを作らせないポジショニングや守備組織の構築が、彼らの強さの根底にあるのかもしれません。
エスパルスのデュエルデータをどう読むかは、こうした視点も交えて考える必要がありそうです。


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